性別違和/性別移行に関する心理的支援を行っています
小鳥が留まっているのは、TAKAHATAの「T」。
横棒にあしらっている6色のレインボーカラーは、性の多様性を表します。
性(生)のありようにかかわらない、各個が有する内なる誇りと尊厳への敬意を忘れません。
性別違和や性別移行に悩む仲間たち、そして彼らのそばにいる方々へ
私は今、メンズスーツを身に纏い、 「西野明樹」 と名乗っています。
しかし私は 「女性」 として生まれ、 「由佳」 と呼ばれる人生を20歳まで続けてきました。
人々はこういう状態を 「性同一性障害」 「性別違和」 「FTM(Female to Male)」 などと呼びます。私が精神科医からそう告げられたのは、あと3日で20歳になるという日でした。
それから1年10ヶ月間ほど、カミングアウトや性別移行の試行錯誤を経て書かれた日記の一部に、次のようなものがあります。
私の宝物は、今の生活と、それを支えるものです。
私は、自分がFTM当事者であることを様々な人へカミングアウトしてきました。
そして、本当に僕らしい生活を手に入れることが出来ました。
それは、カミングアウトしたそれぞれの相手が、それぞれのやり方で、僕を受け入れてくれたからです。
性同一性障害という言葉も知らずに、必死に女性らしさを演じていた苦しみを突き抜けて、ありのままに生きることの出来る、歓喜へ。
その過程で、いくつものあたたかさに触れました。あたたかい言葉に涙しました。
今、私は、たくさんたくさん笑っています。
みんなで笑い合いたい。
「私」という人間として。ただのひとりの人間として。
あたたかい笑顔に出会うために、私自身が笑顔でいるために、私は頑張り続けていきたいと思う。
かつて精神科の患者だった私は、今、困難を抱える人々の支援・援助を使命とする臨床心理士として、心理臨床活動に従事しています。
今の立場を思うと、自分がFTM当事者だと明かすデメリットは決して少なくないでしょう。
性別違和に悩み苦しむ当事者人々やそのご家族などが抱えている、しんどさ、迷い、孤独、自己嫌悪感などがわずかでも減ってくれればという想いを懸け、このページを開設・公開しています。
ひとり暗闇のなかで悩む人々の前に希望の未来が広がる日を願って――
2016年4月 高幡心理相談所 所長/臨床心理士/心理学博士
